「勝って打つ」

 この言葉は、子ども達が日々の稽古や試合、審査会のときに使う面てぬぐいに染め抜かれた言葉です。
剣道は、竹刀を操作する物理的な技術とともに、深い精神活動が重要な要素となります。相手と立ち会ったならば、己の精神力、気位(自分の品位を誇りに思い、それを保とうとする心)、気力、迫力で相手を制圧し、その萎縮(縮こまってちいさくなること)した虚(備えのないこと、油断)、隙を打つ。技の習得も大事だが、それ以上に気を練ることが大切なことであります。
面をつけるときに、面手ぬぐいに書かれた「勝って打つ」の意味を肝に銘じて、試合や稽古に臨んでもらいたい。

故 渡部 博嗣 教士